6月J-Program No.9 ここかしこ


日常生活で見ているものは人それぞれで、記憶もまたあいまいなもの。この授業は、こどもたちが家から学校までの道のりにあるものを思い出して地図を描き、それを見る人を案内してみようというもの。自分が毎日の通学で何をどのように見ているのか、改めて考え直すきっかけになりました。

We look at different things everyday, but our memories are fuzzy, too. In this class, each child tried to remember the distance from their house to school and then drew a map, trying to guide anybody who looked at it. It was a chance to think again about what oneself watches and feels while going to school everyday.

 
 
今週のジュニアは、前回も話に登場したソフィ・カルの作品紹介から始まりました。

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写真と言葉を組み合わせた美術作品が特徴的な作家、ソフィ・カル。
彼女の作品のコンセプトは「人の記憶」。日々の出来事や忘れたくない記憶でも、あいまいな部分とはっきりした部分がまざりあったり、いつの間にか記憶の内容自体が変わっていたり。そんなはかない人間の記憶を、目に見える形で表しています。写真の言葉の見せ方、配置の工夫などによって作品をより魅力的にしているのも一つの特徴。

ジュニアの今回の制作も、「記憶」をテーマにしたものです。
日常的な記憶のある場所…それぞれ毎日必ず通る、通学路をモチーフに、記憶をたよりに、絵や文章で表します。

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自分の通う小学校と家が載っている地図をベースに、自分の歩いている道を目で辿り、ふだん何となく目にとめているものや、感じているものについて思い出して行きます。

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それを紙に一つずつ描き出していきます。

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なんでこれはこんなにはっきり覚えてるんだろう?というくらい明確なイメージや、いつも見ているはずの風景なのにぼんやりとしたイメージだったり、あらためて「あれは何だったっけ?」と、記憶をこじあける感じも。しかし、あやふやな記憶もそのまま表現してみます。正解や間違いはなく、自分の意識や無意識が現れてくるのがこの作品の面白いところ。思いつく限りどんどん挙げていき、中には何十枚と描いた子も!

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最後に、巨大な紙に、描いた作品をレイアウト。フォーマットは特にないため、自分で考えて配置します。それぞれの工夫が見られました。

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