まっさらな白い紙を前にすると、どこから描いたらいいか、失敗したらどうしようなど、ちょっぴり気構えてしまいますね。でも上手に絵を描くっていうのは、つまりは「上手に紙を汚す」ということ。この授業はまず、鉛筆で画用紙全体を「グレイに美しく汚す」というミッションからスタート。
ちまちま描いていてもしょうがない。大きく腕を動かし、できるだけ均一な力で、規則的に。5分、10分、15分・・・絵を描くのは意外と体力が必要なのです。
さてここから、15〜16世紀ヨーロッパで活躍したデューラーさまのかの有名な「手」を模写していきます。軽く練りゴムで画面を整えたら、さっそく描きこみへ。
ゴツゴツとした関節、柔らかそうな皮膚の膨らみや手首の布。強弱のある線で、巧みに描いている様子を徹底して観察します。
細かな皺や、血管の描写まで、見れば見るほどよく描かれている。明るい部分はトーンを軽くし、暗い部分はさらに鉛筆で描きこみ・・・鉛筆が画面の上を動く音だけが教室に響き渡り、それぞれ熱のある取り組みをしていました。
ハイライトは普段は紙の白を生かすところ、今回はもっと意識的になるため白いペンを使ってみることに。
鉛筆の良さは、描きこんだ後、練りゴムで何度も調子を整えられること。「行き過ぎたら戻ればいい」という感覚がつかめると、制作の幅がかなり広がります。
描ききった感が出ていて気持ちいい!
This was a class to confirm once again how to use a pencil. They copied the picture of Durer’s “hand”, he’s famous for his delicate sketches. Of all works they express using only a pencil, even the background.