5月L-Program No.5 コンポジション

ジョージア・オキーフはアメリカで活躍した女性画家。70年にも及ぶ長い画歴の中で、彼女は風景や花、動物の骨などをテーマに描きつづけました。中でもこの授業でラボのみんなに紹介したのは、画面いっぱいに拡大して描いた花の絵の数々。独自の目線と感覚で描きあげた花のシリーズは、多くの人たちを魅了し続けています。

まず注目したいのは、絵の構図について。オキーフの花のシリーズは色やグラデーションなどが注目されることが多いのですが、そもそもその配置の大胆さが作品の存在感につながっています。小さな花を覗き込むと小さな宇宙のような世界が広がっていることを、彼女は自らの作品で人々に伝えようとしています。

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モチーフを画面の中でどう切り取るか? 最初の思いつきのアイデアだけにとらわれず、できるだけたくさんのアイディアを挙げることで、意外なおもしろさや見方が発見できます。候補の中からひとつの案を選び、さらに具体的な色味を画面の上で実験しながら、全体のイメージを少しずつキャンバスに描き進めていきました。

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オキーフは作品上で、花をより強調して見せるために、色彩を巧みにコントロールしています。実際の花の色味とはあえて違う色を陰影などの表現に取り入れてみることで、絵の印象が変わって来ます。色の効果を加減しながら、キャンバスに、アクリル絵の具で大きくのびのびと筆を動かして描く行為は、なかなか気持ちが良さそう。次週の制作も楽しみです!