2007年10月 アートの道はいばらの道!?

 「うちの子、美術系の学校に進みたいと言ってるんです。」そんな質問&ご相談が多い最近のまほうの絵ふで。ああ、多い時にはほぼ毎日、続いていました、そのようなご用件の電話。な、なぜ?
 流行ってるのかなぁとも一瞬思いましたが、そんなわけはありませんよねえ、このご時世。「自分が望むものをさせたい」とは親御さんに共通するお気持ちのようですが、ほんとのところではよくわからず多少不安の残るアート・芸術方面への進学。そこで今月は「進学特集」として、みなさんからよく寄せられる、8つの質問を挙げてみました。
 まだお子さんが小さなご家庭でも、ご参考までにどうぞご一読を。

 そしてそしてその質問にお答えいただくのはもちろんこの方、「ワシです、ワシ」の校長先生。

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 それでは校長、宜しくお願いします。

1.良い美術系の大学ってどんなところでしょうか。

 う。いきなり難問ですね。この質問については、専門課程に進むための大学の選び方、ということを質問されているのだと思いますが、まずちょっと前提になることから。えふでは、いわゆる造形教育の入り口として「美術を通した教育」をするアートスクールです。ですから、総合的な学習に近い性質を持っていまして、学びの尺度に「美」を使っているということになるんです。一方、大学など専門課程は、趣味とか自分の疑問を解決するというより、その次に「仕事」ということが出てくるんです。そうすると少しややこしくなってきて、独自の仕事をするためには、お手本を超えていかなくてはいけない。→そもそも教育が成り立つのかあやしくなってくる。といった矛盾が出てくるんですね。デザインなどの世界では、面白い仕事をするためには、面白い仕事が依頼されるところに自分を置くことが必要になります。その意味では関東圏の美術大・芸術大はやはり有利と言えるかもしれません。しかしさらに現実には、大学というより、最初の職場(デザイン会社や広告代理店)などで、どのように自分が成長したのかが大きなポイントになるようです。そう考えると「ご縁のあるところに選ばれる」よう、魅力あるひとでいてほしいと思います。「その魅力あるひと」が多く集まる場が、学びの場としてもチャンスを運んできてくれるような気がします。

2.どんな勉強をすれば良いのでしょうか、またいつ頃から始めたら良いのでしょうか。

なにもかも勉強ですよね。ムダな経験はひとつもありません。いちおう美術大学の受験のための「トレーニング」に関しては、ムカシの偉いひとが「1000時間」トレーニングせよ。と言っています。これはだらだら絵を描く時間とか、絵のことを空想する時間は省いて、集中して制作する時間ですから結構大変です。一日3時間雨の日も風の日も集中すれば一年間。やってやれないことはないでしょう。この1000時間があったなら、基本的に日本国内で射程距離に入らない美術大・芸術大はないと断言できます。あと、始めるタイミングですが、ココロとからだのバランス的には、早く始めるにしてもに14歳が一つの目安になりますが、世間的には17歳くらいからが多いようです。もちろん本人が4歳から野望を抱くことに対し、少しも非難されるいわれはありません。

3.浪人は避けたいのですが。

 避けましょう。
現役生(といういいかたをしますが)で入学して、年上の同級生(ややこしいですが)を呼び捨てにする根性を見せてください。実際、浪人生多いです。
いろいろな見方があるのも事実です。美術・芸術大学は、世間一般の常識から外れた人外魔境でもあり、その非常識の度合いがまたクリエイションに作用しているという現実もあります。大学は教えてくれる場所というより、つかみとる場所といった側面があります。そして大学の4年間はほんとうに短いものです。引退するスポーツ選手のように、「その後」が長いのです。合格してよかった!と言っているうちにすぐ卒業です。その点、ただ絵のことだけを考えていられる浪人生は、失うものもありますが、そこでしか得られないものもあるのは事実です。特に難関大を目指すとき、現実的に親御さんにも、ある種の覚悟が必要になってしまいます。

4.卒業後どんな職業があるのでしょうか。

 道は無限にあります。ただ、国家公務員一種や医師免許などは別のルートからの方が苦労が少ないような気がします。

5.大学受験のために小中学生の頃からできることはありますか。

 朝ご飯をきちんと食べる。体力をつける。本をたくさん読む。ってえらそーに言えた義理じゃないです。わしに聞かないでください。だいたいからしてたいていのひとは大学一度入って「先生」なんだも。たいして経験ないですよ。今を必死に生きてくださいね。お父さんお母さんが、何か自分の限界にチャレンジした経験をお持ちなら、小中学生のとき、何をしたか、何をすればよかったか、何を親に言われるのがいやだったか、そしてそのときの自分がどんなにいやでも、言われるべきだったことは…と考えて子どもにいやがられてください。

6.まほうの絵ふでで大学受験の指導をしてもらえませんか。

 してもらえませんよ。

7.子供の方で、今いちやる気が起きないようなのですが…

 昔のひとがいうには、牛とか馬とか水場に連れてくのはできても、飲む気がなければ水は飲まないものなんだそうです。努力には「欠乏感」がいるような気がします。みんな豊かだからなあ…

8.うちの子、向いていますか?

 えー、校長は実はマッサージがすごく上手なんです。かといって女性にすればセクハラ、男性にすればなにか勘違いされるかも。と、誰にする機会があるでもないのですが、される側にまわるときよく思うんです。「あー、わしがもう一人いれば…」
 このあいだ、仕事の待ち合わせで、先方の都合で急に時間があいて、待ち合わせの場所にたまたまあったマッサージへ。そんなときすごく上手なお兄さんにあたって、しかも手が温かい。夢見ごこちで校長が考えたのは「うーむ。天職。このひとお寿司屋さんにならなくてよかったなー」
 さて、才能については、みんな誰かに背中を押してほしいし、責任をとってほしいんですけど、恋愛(?)と一緒で、可能性はたくさんあるが、まわり(相手)に求められるかどうかは、結果論でしかありません。これについてはヒロトさん(当時ハイロウズ)が対談ですごいこといってます。「みんななりたいっていうけどココロの飾りなんだよ。死んでもレーサーになりたいって奴はそう言ったとき、もうレーサーなんだ。だってならなきゃ死んじゃうんだもん!」はい。わかるようなわからないような…

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