2007年5月 世界を変えるチャンスにかける?
天才は、世の中を大きく変えていきます。これはすばらしい事実です。しかし私たちは同時に、天才というのは本当のほんの一握りの人間だという現実も冷静に見つめなければなりません。
スティーブ・ジョブスに「人生の残りを、砂糖水を売って過ごすか、世界を変えるチャンスに賭けるか?」と口説かれたジョン・スカリーは、大企業のペプシコーラを離れ、当時ベンチャーと言えるぐらいの規模でしかなかったアップルコンピュータへ転職してしまった。なんて伝説になっている話もあります。いつの時代も私たちは、天才たちの作り出す物語に憧れ、勇気を与えられ、導かれて来ました。
さて教育によって天才を作ることは可能でしょうか、それとも不可能なのでしょうか。
現実的には、天才を教育で伸ばすことは出来たとしても、作り出すことは出来ないのかもしれません。もっと現実を見つめるなら、本質的には才能は育てることはおろか、見つけ出すことしかできないとさえいえるでしょうし、もしも天才が私たちの概念から遥かにかけ離れたビジョンを持っていたとしたら、その才能を認めて見つけだすことすら難しいなんていうこともあるでしょう。なにやら夢の無い話になってしまったような気もしますが、教育にできることにはある種の限界があるというのは否定できない事実です。
それでもあえて問うとすれば、教育にはどんなことができるのでしょう。美術教育に関していうなら、意欲に応え、学ぶチャンスを与える。努力を認め励ますことにより自信を持たせ意欲的なチャレンジの後押しをする。そんな可能性があるのではないでしょうか。 独創的な取り組みだけでなく、たとえば今あるものをくもりの無い目でとらえ、組み直すこと。それも大切なクリエイションだと思います。歴史を知り、先人の努力を知り、失敗からも成功からも学んでいくこと。頭で考えるだけではなく、実際に体を動かしてリアルな現場からも学ぶ。そんな姿勢こそが大切なのだと思います。そしてそういったことの重要性を知ることが美術を学ぶ意味なのではないでしょうか。
蛇足ですがビル・ゲイツはレオナルド・ダ・ヴィンチの本物の作品を持っているのだそうです。すごいですねー。とある現代美術作家曰く、日々決断を求められる天才は、「アートの天才が見たビジョンに、進むべき方向を尋ねたくなる時」があるのでは?とのことです。むー。









