2010年の春の特別授業は実物大のうし作り!
天候にも恵まれた5月2日・3日の両日、ジュニア・ラボの子どもたちがインドのうし作りに挑戦しました。
まずはじめに本物のうしを観察することから授業はスタート。札幌市東区にあるさとらんどには、うしの他にも馬やら羊やらいろんな動物がおるのです。ポカポカの陽気に恵まれたってことは…きっとちがう試練もあるにちがいない。
バスでの移動中からワシがしつっこく言ってたのは、「くさい」とか「汚い」とかの、他人を不快にさせるネガティブワードはNG!どうしても耐えられなかったら「æっ!」って言うだぞ。アとエの中間「æっ!!」
案の定、低学年の子を中心に「ぇウっ!」「ウっ!」「ぉウっ!」と連発しながら目的であるうしたちのところに到着。発音ちと違う気もしないでもないが…まあよく耐えた。合格である。次は上歯茎に舌をつけて「ðっ!」つーのにするか。
本物のうしの観察。目鼻口の顔立ちの他にも、角や耳、しっぽ、足の付け根やつま先などまでしっかりスケッチして確認。
「仔牛と親牛のちがいは特にこの辺が…」って、おいおい!ワシの指をしゃぶるな!チャックチャック、チャックチャック…。
屋内に戻り、こんどは映像を見ながらインドのうしについて学ぶ。いわゆるホルスタイン牛と、インドのうしはどうちがう?
毛にまだら模様がないというだけでも「へー!」。さらに特徴的なのが肉のつき方。やせている牛が多いから、体中のあちこちにガリガリした骨が見えるのだ。目指すはこっちのうし!現地で撮影してきてくれたテレビディレクターの小林三旅さんから、街の野良うしの様子を詳しく聞く。日本のうしよりもどことなく穏やかな感じがするのは気のせいだろか?
えふでに戻ったら、さっそくチームに分かれて制作スタート。今回はインドのうしを4頭も作るのだ。立ってるのが2頭、寝てるのが1頭、仔牛が1頭。ちんたらしてたら作業が進まん…女子だろうがジュニアだろうが、今日は電動工具使うぞ!
簡単な設計図をもとに、長さを計算して木材を切る。のこぎりもドライバードリルも、当然使いこなせるものとして作業は進む。
「ぬぁにやってんだ!」「しっかり押さえろ!」北のエリート集団も、初めは見事に下手っぴであった…ビスの長さや打つ角度なんか「自分で考えろ!」失敗したら「おまえらアホか」挙げ句の果てには「できるヤツに代われ!」…く、くやしい。
低学年の子どもたちにも容赦なく檄が飛ぶ。特にこないだまでキッズだった小3生はガムテープを手でちぎるのがやっと。当然「遅い!」「早くせい!」共同制作の現場っつーのはな、制作のリズムを乱さないことがすごく大事なのだ。
叱られ怒鳴られしとるうちに、気がつけばチーム内に健全な縦社会ができあがっておった。各チームとも図面は見ておるが、実際には微妙にサイズが合わなかったり、できるはずのものがうまく組めないことも多々あり。それぞれ作っているポーズがちがうから、自分たちで現状を見て判断せねばならんのだ。リーダーたちが必死に考えてる間、よくよく見ると…あれ?子ども同士で指導しとる!切り終えた木材の管理もちゃんとできとったしの。それぞれが必死にこなしてくうちにチームの能力が伸びるのだ。
そんなこんなでやっとこさ組み上がった脚はこの通り。「仔牛が立った!」クララ!
初日の制作、一歩リードしたのは彫刻科出身のハセ先生のチーム。骨組みに補強を兼ねて麻袋を巻き、胴体は必要に応じてボリュームを出す。
このシルエット、さすがでございます。やっとうしらしいシルエットが見えてきたところで初日の制作は終了。
二日目は朝からディティールを詰める作業。各チームそれぞれ凝って凝って凝りまくる。
この時点で相当ずっしり。だ、だいじょうぶか…
しかしここから先が修羅場ぞな…恐怖の「紙貼り」!
大量の紙と、大量のボンド水をつくり…
一気に貼付け!
骨組みのデコボコ感が出るよう、麻袋にしっかり貼付けるのだ。入り組んだ部分は、やや貼りにくい…
うわー。な、なんだこの生々しい皮膚感…
さらに後半はインドの古紙が登場。
インドの道端にいる野良うしたちへのリスペクトでございます。
ボディができあがった頃、午後いっぱいかけて制作していたうしの頭部も登場。ぃよ!待ってましたリーダー!
大迫力でございます。
でね。見て見て!
最後にみんなで驚きのまほうかけといたぞな。
どうやって作ったのかは制作者のヒミツということで。
うっしっしっし。上出来!
翌日、乾燥ついでに公園に放牧してきたぞな。
ででーん
のんびり風の寝うし。
仔牛は大きいのと一緒に親子風。
これまたいい感じの風が吹いてのう。
通りすがりの人たちの目が釘付け!
まほうのうしたちは、まず世田谷文化生活情報センター 生活工房のオリッサ・オディッシー 東インドの踊りと暮らし展にて展示。夏には札幌のみんなの前にもお目見えする予定!お楽しみに。