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今週から、地道な彩色作業のスタートです。
キャンバスサイズは、今までで一番大きいとはいえ、ラボもけっこうな人数がいますので、人手は十二分。しかし、ただやみくもに作業していると絶対終わりません。この制作は計画性がポイント!
ヴィーナスをはじめ、絵に登場する4人の神さまは、それぞれ数名のチームが担当。背景は海、空、陸のチームに分かれて、まずはチーム内の相談から。「どこからスタートする?」「ここからここまで担当します」
ざっくり見通したったチームから、作業開始。
今回はテンペラ絵の具という、古典絵画に用いられていた絵の具を使います。これはもともと売っているものではなく、たまごの黄味をベースにした手作り絵の具。500年以上前、実際にこの技法で描かれた『ヴィーナスの誕生は』、現在イタリア・フィレンツェのウフィッツィ美術館に展示されているのですが、未だにほぼ色あせることなく当時の色彩がそのまま残されているそうです。先人の知恵はすごい。
テンペラ絵の具の作り方ももちろんマスター。たまごの黄味をベースに、精製油と顔料で、基本の3原色+白+黒の絵の具を作る。キッズやジュニアもほぼ同じ作業をしております。もちろんラボのみんなはお手のもの!と思いきや、何人か黄味割っちゃってたけど…。
5色のベースができてからは、普通の絵の具と扱いはほぼ同じ。何より時間がかかるのは、黄味と顔料を混ぜ合わせる作業。普段はチューブやパレットからすぐ使える絵の具ですが、今回はなんせイチから手作り。早く描きたくても絵の具がすぐにはできない!昔の人は根気づよい?!
もしその点に早くから気がついていたら、チームで役割分担して効率よくできるんだけどね。がんばれ〜。
やっとこさ絵の具ができて、キャンバスをぐるりと囲み、着彩しはじめるラボ。逆さの状態からでも描くのに抵抗がないのは、さすがえふでっ子?
それにしても、色が?
色が変!神様が、緑色!
全体ではこんな感じ。海が、木が燃えている…
実は、これはテンペラ絵の具の特性を生かした配色。間違っているわけではありませんのでご安心を。テンペラ絵の具は「半分透ける」性質を持っており、肌の色をはじめとするとても微妙な色を作るために、あえて本当の色の「反対の色(=補色)」を先に、下地として塗るのだそうです。
しかし、分っていてもなお不穏な…世紀末的なカラー。
来週完成するのかどうか?ここからじりじりと本物の色味に近づけていきます。
おまけ…
週末の土曜日クラス、絵の主役のヴィーナスチームだけ、進行がかなり遅れていることが判明。「これだと来週のメンバーが困る!」との判断から、リーダーとチームメンバーひとりが居残りでがんばっている図。来週はリーダー、しっかりね!
しかし、来週は他チームも怒濤の描き込みが必要になりそう。次回レポートをお楽しみに。