5月J-Program No.4 フリーズ①


イギリスの美術家ダミアン・ハーストのバタフライ・ペインティングを参考に作品を作りました。ハーストの本物の蝶を使った作品には、子どもたちの反応も様々。「残酷だ!」「こわい」「でもきれい」この週では、自分たちの作品に使うため、生花から花びらをとって押し花を制作しました。

We introduced U.K. artist, Damien Hirst’s art works to the children. Their reaction to Hirst’s works of genuine butterflies, were varied including “Cruel!”, “Scary!”, “But it’s beautiful…” This week, they made pressed flowers for their own art project for the following week.

 
 
5月の授業がスタート。ジュニアにとってはかなりセンセーショナルな美術家・ダミアン・ハーストの作品をイメージした作品を制作します。

まずはみんなに聞いてみました。
「何のために絵をかいたり、作品をつくっていますか?」
「美術はなんのためにあると思いますか?」

楽しいから、心がいやされるから、好きだから。子どものまっすぐな意見が。

ハーストいわく、「アートとは、生きることを考えるためのもの。それ以外の何ものでもない」。ハーストは死んだ・あるいは生きている生物を使用した一連の作品で一躍話題になり、「残酷だ」、「これは作品として認められるのか?」と美術界に賛否両論を巻き起こらせました。しかし、作品を通して人間の業や摂理を表現し続ける彼のメッセージは一貫しており、それに対して評価し、作品の価値を認める人々も多いのです。現に彼の作品は、1点何百億というとんでもない額で取引されています。

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ハーストの作品の写真をみて、こどもたちももれなく衝撃をうけていました。
「これはひどい」「でも見たくなる…というのもちょっと思う」「むりむりむり!」
反応は実にさまざまです。

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これこそが、ハーストのねらい。作品を見ることで、自分の中の思考や感情が否応なくゆさぶられます。そのくらいインパクトがあるのです。写真でもそうなので、実際に見に行ったとしたら相当かと…。

生物を使った作品のなかでも、蝶の羽根だけをつかった一連のシリーズがあります。
蝶といえば、歌にもなっているくらい、春のイメージ、明るい、美しい、かわいい、色がきれいといったポジティブなイメージが強いものですが、ハーストはその蝶のイメージ自体をくつがえす、あるいはちがった形で美しさを浮き彫りにする作品を作りました。

「蝶はいつか死んでしまうが、羽根は死んでも美しい。」さまざまな種類の蝶の羽根だけを使って、万華鏡のようにキャンバスに配置した、一見ものすごく美しい作品。しかし制作中の行為を考えてみても、かなり残酷な作品です。しかし私たちが普段している昆虫採集は?標本は?文化によって認められている行為とハーストの作品の違いとは?
こどもたちも、感情ではもんもんとしながらも、美しいこの作品に対してなんともいえない様子。

この蝶の作品をイメージして制作していきます。
とにかく色彩の美しさ、配置の美しさに集中してみようという試みです。
特別アイテムとして、「押し花」をピックアップしました。
死んでもうつくしい=花としての役目を終えても形や色を保つもの=押し花。
蝶の羽根との組み合せで、作品を作ります。

いろいろなお花を積み、丁寧に押し花づくり。

花びら1枚1枚、大切に扱います。子どもたちも神妙な顔。花びらはきれいだし、楽しい制作ではあるのですが、常にもんもんとしている様子。

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一週間後、押し花完成予定。うまくいくといいですね。

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作品の下地のボードに色も塗り、来週完成です。お楽しみに。

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