7月J-Program No.11 たまご絵の具①


テンペラ画の技法で、自画像に挑戦してみました。厚塗りができないテンペラは、下の層から計画的に制作を進める必要があります。前の週に研究したミケランジェロの色使いを参考にして、制作を進めました。

They painted a self portrait using egg tempera. It is necessary to paint systematically from the lower layer, because tempera is not very thick paint. They painted it looking at Michelangelo’s colors which they studied the previous week.

 
 
今から約500年前の暮らしを想像してみよう。

エジソンが電気を発明するもっともっと前。テレビもなし、冷蔵庫もなし!今みたいな便利な道具なんてどこにも売ってない。服も食器も生活道具も、身の回りのものは基本手作り。娯楽なんてなかなかない。まずは生きるために、おとなもこどももそれぞれの役割を持ち、暮らしていた…。そんな時代。

それでも、絵画や彫刻というものは存在していました。美術の歴史は古く、古代ギリシャの紀元前3000年前から…
そう考えると美術って、本当にすごい。

さて、その時代の人たちは、一体どんな絵の具を使って絵を描いていたのでしょう?今回のプログラムは、その辺りからのスタートです。

今回の絵の具づくりにで重要なのが、プログラムタイトルにもある通り、たまごです。
たまごなら、大昔からありますからね。

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ひとり一つのワンチャンス。生たまごを割り、黄味だけをそっと手ですくい出す。

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「つめたくてきもちいー」
「あ、割れたっ」
ジュニアは全員できてしかるべき!おうちで要練習。来週もやるぞ。

取り出した黄味の中に、精製油を入れます。混ぜてみると…なんだかマヨネーズ的。
これに顔料を適量加え、必要な色を作ります。

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これは「テンペラ」という絵の具。黄味は、紙やキャンバスに色を定着させるための「のり」成分です。
西洋の古典絵画で長く使われており、油絵の具よりも古い歴史があります。色あせが起きにくく、何百年前のテンペラ絵の具を使って描かれた絵は色彩鮮やかなものが多いそうな。とてもすぐれた性質の絵の具なのですが、絵の具をつくるための行程が多いこと!それに、白身が少しでも入っていたら、現在に至るまでに腐っていたことでしょう。昔の画家はすごいね。絵を描きはじめる以前にこんな手間をかけ、絵の具を制作していたのです。

白色をつくるだけでもちょー大変!

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混ぜてこねて観察して…続けること十数分。できたかな?

ここからの、さらに複雑な色づくり。赤・青・黄の3色の顔料を使って、自分の肌の色を目指します。前回はミケランジェロさまの作った色を参考にしたけど、今回は自分の肌の色に近づけます。

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なんでかというと、今回描くテーマは「自画像」。

こどもたちからざわめきが。人の顔、ましてや自分を描く、というのはおとなもこどもも同じように、プレッシャーのかかる制作。とりあえず、かわいくかっこよく描くのが自画像の目的ではない。分ってはいるけれど、無意識に「こうなってるはずだ」「こうありたい」という気持ちが働くテーマなのです。

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自分の顔をじーっと鏡で見て描くのは、くすぐったいというか、妙な感覚!しかし、昔は鏡もなかったので自分の顔すら見ることができなかった時代があるのです。鏡が発明され、はじめて自分の顔を見た人々は、新鮮ながらも妙な感覚になったことでしょうね。「あら?これは誰?」みたいな。あえていうならそんな視点で。

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テンペラ絵の具を全体に塗って、今回はここまで。

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描けてるなー。鏡の角度がななめだったのか、見上げてる感まで出てる。過去最高の力作?

髪の毛などこまかいところの色は来週。
肌の色を中心に、色を深く追っていきます。期待大!