11月L-Program No.21 Todayシリーズ

真っ黒なキャンバスに、まるでプリントされたかのようなナンバーが並ぶ「日付絵画」。この授業では、「時間」や「存在」をテーマとした河原温さんの作品を中高生の生徒たちに紹介しました。2014年に亡くなるまでの48年の間、日付をはじめとする観念的な作品を数多く残しました。
日付は国籍や文化を問わず誰にでも伝わるもの。河原さんの手描きの文字が整然と並んだ作品の前に立つと、誰もが「この日どんなことがあったのだろう?」と思わず考えさせられます。キャンバスには絵を描くものと思っているラボのみんなにとって、すごく新鮮な作品に見えたでしょう。時間というものには普遍的な強さがありますね。河原温さんの作品がもつ静かな空気感は、世界的な評価を得ています。

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せっかくなのでみんなも描いてみよう!ということでこの授業では過去・未来・現在問わず、好きな日付を選んでもらい、河原温さんと同じようなスタイルで黒いキャンバスに文字を描いてみることに。キャンバスを縁まで塗りつぶし、選んだ日付の文字を配置してトレースしたら、絵の具でていねいに描き進めます。

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簡単そうに見えるけど、シンプルだからこそむずかしい?!河原温さんの制作の技術的な面にもほんの少し触れることができました。

さて生徒たちが選んだ日付は。
「最近友達と遊んで何となく楽しかった一日」
「友達と東京オリンピックに行こうと約束した日」
「タイムカプセルを開ける予定の日」
「自分が百歳になる日」などなど。何気ない一日だったとしても、美術作品になることによりちょっと特別な意味をもつ一日になるかもしれません。独自のスタイルで現代アートの世界を開拓した日本人作家に敬意を込めて。

 

 

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“The date painting”, the white letters lined up seem like they were printed on a black canvas. This is the work of Japanese contemporary artist On Kawara who is highly-praised all over the world. His works featured the theme of ”time” and ”being”, and we think the meaning of his works has been changed since his death last summer.
A day’s date can be understood by everyone regardless of nationality or culture. “The date painting” series has universal strength and heaviness, and these works make anybody think about “What happened on that day?”. This class, the students chose a day from the past, present or future, and they painted white letters on a black canvas, same as On Kawara. It’s a ordinary day, but it may become a special day because it’s a work of art. We hope you keep this work on the wall of your room with respect to a great Japanese artist.