幼稚園くらいのこどもたちも、既に絵の描き方の「型」のようなものを自分の中にもっているようです。模写の経験は、こどもたちの絵の表現の幅を広げてくれます。何千年も前の人たちが描いた絵、ルネサンスや中世の人たちが描いた絵、それから日本の絵描きさんが描いた絵・・・それぞれ、描き方がちがってすごくおもしろい。この授業では、こどもたちがそれぞれ1点ずつ別々の絵を描いてみることになりました。
まずはじめに「くじびきタイム!」どんな絵が当たるのかドキドキ・・・・
制作はサインペン、色えんぴつ、クレヨンなどそれぞれの絵の雰囲気に合わせて。描きやすそうなものを使いました。
一見かんたんそうな絵も「意外と難しい!」。また逆に初めは「うわ〜」っと声があがるくらい難しそうに見える絵も、描いてみると「なんとなく似てきたよ」というケースが多くあります。
色や形をよく見て。一番目立つところから描くのがコツですよ。
だんだん雰囲気出てくるので、教室内で制作を見ているだけでワクワクしました。
大きな絵はさすがにたいへんそう・・・ゆっくりじっくりがんばって!
完成したキッズたちの作品、すばらしいです。たくさんの名画がこどもたちの中で脳内編集されて、新たな名画として生まれ変わりました。それぞれがその絵のどんなふうに見ていたのかを見ているだけで、新しい発見がありますよ。
ティツィアーノの『ウルビーノのヴィーナス』1538年、ウフィツィ美術館蔵
横たわるヌード、室外の人たちの様子など細かいところまでよくみています。
ジュゼッペ・アルチンボルド『夏』1572年、ルーブル美術館蔵
果物や植物がいっぱい!
ミレーの『落穂拾い』1857年、オルセー美術館蔵
せっせと拾っている・・・
これは名画『モナリザ』からつくられたマルセル・デュシャンの『エラ・ショ・オ・キュ』1919年、ポンピドゥー・センター蔵。おヒゲがつけられているのです。
高橋由一『鮭』1877頃、東京藝術大学大学美術館蔵
雰囲気満点!傑作ですね。
他にもご紹介したい作品だらけですので、GWに開催予定の『ウフルーモマタージュ展』をどうぞお楽しみに。