8月J-Program No.13 せるりあん


線を使わずに空の絵を描きました。雲には形がないともいえます。色の濃淡だけ描く絵に挑戦しました。

They painted a picture of the sky without lines. Clouds can be without form. They tried to paint the sky using only dense color or thin color.

 
 

「絵って何だろう?」
そんな質問からはじまった、夏休み明け最初のジュニアコースの授業。

こどもたちから出た絵の定義は、
  ・筆で描くもの
  ・そっくりに描くもの
  ・思ったり考えたりしたことを描くもの
  ・見たものを後に残しておくもの…
いろんな意見が出ましたが、「鉛筆やペンで描いても絵だね」「そっくりじゃない絵もあるね」「文字を組み合わせた絵文字っていうのもあるよ」「砂に描いても絵だ」「後から消えてなくなっても、たしかに絵だ」…むむ、なかなかむずかしい問題です。でも改めて考えてみるとすごくおもしろい。

さてこの週、こどもたちに紹介したのは、1950年代のアメリカの抽象表現主義の画家たちです。マーク・ロスコ、バーネット・ニューマン、クリフォード・スティル、モーリス・ルイス…などなど、いわゆる『カラーフィールドペインティング』と呼ばれる作品。一見、ただ色を塗っただけの、壁のようにも見える大きな作品ですが、いずれもこどもたちがイメージする絵画とはずいぶん違う作品ばかりでした。具体的な形があったり、線で描くドローイングをイメージしがちですが、実は色だけでも絵はじゅうぶん描くことができるんです。

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ということで、この週の制作は、色に重点をおいた大きな絵を描いてみることに。迷わずできるだけダイレクトに色を考えられるよう、いくつかの空の画像を用意してみました。

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さて、こう見ると空の青みも様々です。
「ぼくの絵の具の箱に青はひとつしかないよ!」
ということで、じゃあまずは青のバリエーションを増やしてみよう。

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さて、良い青ができたら、画面に一気に色を塗っていきます。

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これだけ画面が大きいとさすがに塗りごたえあり!
絵の具と水の量をコントロールすること、筆の跡をよく見ること、重ねた時の見え方に気をつけること、乾いた後の状態を予測すること…などなど、シンプルな作業の中にもあれこれポイントがあります。

雲は、もやもやと空に溶けこんでいる部分と、はっきりとエッジが出ている部分を描き分けて。スポンジで画面に絵の具を「置くように」ぽんぽん。

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夏にぴったりの、清涼感のある作品ができました。

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