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「絵って何だろう?」
そんな質問からはじまった、夏休み明け最初のジュニアコースの授業。
こどもたちから出た絵の定義は、
・筆で描くもの
・そっくりに描くもの
・思ったり考えたりしたことを描くもの
・見たものを後に残しておくもの…
いろんな意見が出ましたが、「鉛筆やペンで描いても絵だね」「そっくりじゃない絵もあるね」「文字を組み合わせた絵文字っていうのもあるよ」「砂に描いても絵だ」「後から消えてなくなっても、たしかに絵だ」…むむ、なかなかむずかしい問題です。でも改めて考えてみるとすごくおもしろい。
さてこの週、こどもたちに紹介したのは、1950年代のアメリカの抽象表現主義の画家たちです。マーク・ロスコ、バーネット・ニューマン、クリフォード・スティル、モーリス・ルイス…などなど、いわゆる『カラーフィールドペインティング』と呼ばれる作品。一見、ただ色を塗っただけの、壁のようにも見える大きな作品ですが、いずれもこどもたちがイメージする絵画とはずいぶん違う作品ばかりでした。具体的な形があったり、線で描くドローイングをイメージしがちですが、実は色だけでも絵はじゅうぶん描くことができるんです。
ということで、この週の制作は、色に重点をおいた大きな絵を描いてみることに。迷わずできるだけダイレクトに色を考えられるよう、いくつかの空の画像を用意してみました。
さて、こう見ると空の青みも様々です。
「ぼくの絵の具の箱に青はひとつしかないよ!」
ということで、じゃあまずは青のバリエーションを増やしてみよう。
さて、良い青ができたら、画面に一気に色を塗っていきます。
これだけ画面が大きいとさすがに塗りごたえあり!
絵の具と水の量をコントロールすること、筆の跡をよく見ること、重ねた時の見え方に気をつけること、乾いた後の状態を予測すること…などなど、シンプルな作業の中にもあれこれポイントがあります。
雲は、もやもやと空に溶けこんでいる部分と、はっきりとエッジが出ている部分を描き分けて。スポンジで画面に絵の具を「置くように」ぽんぽん。
夏にぴったりの、清涼感のある作品ができました。