8月J-Program No.14 ぐらんま


高齢者住宅で暮らすおばあちゃんたちをモデルに絵を描きました。長い年月を生きてきたおばあちゃんたちの顔に、こどもたちも興味津々。

They painted a portrait of a grandmother who lives in a senior housing facility. The face of elderly people was very interesting for the students.

 
 
みんなの身近にお年寄りの方はいますか?
ジュニアの小学生たちのおじいちゃん・おばあちゃん。聞いてみると、みなさんまだすごく若い!60代で、仕事をバリバリしているおじいちゃん・おばあちゃんも少なくない。ひいおばあちゃんがご健在という子も何人かいましたね。近所に住んでいるという子は会う機会が多いようですが、遠くに住んでいてなかなか会えないというご家庭も。でもこどもたちの中では、おじいちゃん・おばあちゃんから聞いた話が何かしら印象に残っていることが多いようです。

さて、歳をとるってどういうことでしょう?まだ自分が大人になることすら実感がもてないこどもたちにとって、「老いる」ということは、完全に想像の世界のこと。耳が遠くなったり、髪の毛が白くなったり、体を動かすのがつらくなったり。それに物忘れが多くなるってことも、何となく頭ではわかりますけどね。さらにその先にある「死ぬこと」についてまで話が及ぶと…うーん。わかっちゃいるけど、さすがにそれぞれの中にいろいろな感情がわき起こるようでした。でもね、誰にでも来るのよその時が。

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実は美術の世界でも「死」はよく取り上げられるテーマで、メメント・モリ(死を忘れるな)という言葉がよく使われたりするんですが、今回はこどもたちと「歳をとる」ってことをちょっと考えてみようと思い、おばあちゃんたちに絵のモデルをお願いしました。自分や家族のことはもちろん、こどもたちが住んでいる身近な場所にもおじいちゃん・おばあちゃんがたくさんいるこの社会。小学生にもなれば、こういうテーマにも少しは目を向けてもいいでしょう。
ということで、この授業では、札幌市南区にある『真駒内の丘』という高齢者住宅で暮らすおばあちゃんたちに登場してもらいました。

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写真だけでは人柄がなかなか伝わらないだろうと思い、授業の前にちょっとお話をきいてきましたよ。どんな感じだったか、せっかくなので短い版をここにもアップしておきます。

なんと明るいおばあちゃんたち。そして人に歴史あり!なのです。「ばあちゃんたちすごい!」「おもしろい!」という気分でさっそく制作スタート。最初はほぼ全員「むずかしそう」「失敗したらおばあちゃんに悪い…」「描けない!」なんて言っていたのですが、制作がはじまると、だんだん集中モードに切り替わるあたりがさすがえふでっ子。

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目、鼻などのはっきりした特徴をもつところはもちろん、おばあちゃんたちの大事なしわも忘れずに。こりゃ自画像を描くのとはまたちがった描きごたえがあるね。

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えふで絵の具(透明水彩絵の具)は紙の上で色を重ねていきます。薄く重ねるだけでなく、強い色も置いていくとパンチがでる。

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うわー、こうやって改めて見ると、えふでっ子たち、うまい。似てる似てる!

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みんなこれだけ描けるなら大丈夫、自分のおじいちゃん・おばあちゃんたちの絵も描いてプレゼントしたらいいんじゃない?ついでに昔の暮らしのことや、お父さん・お母さんのこどもの頃の話も聞いておくと良いよ。今しか聞けない話はたくさんあるからね。