9月L-Program No.15 よゐこのぬりゑ


この授業では、水彩絵の具の扱いを学びました。にじみや色のグラデーションが美しい、北斎の富士山を模写しました。

This class was for practicing how to use watercolors. They imitated Hokusai’s picture of Mt,Fuji. The main points were to practice getting colors to bleed, and the effect of gradation.

 
 
ひさしぶりの着彩制作。とはいっても、デッサンに着彩ではなく…
はじめての「ぬりえ」的制作でした。

そもそも「ぬりえ」にしたのは…
着彩に特化した練習方法のようなもの。
例えて言うならワシは、要素をしぼって極端にした練習方法を好むのである。
今回は、かたちの正確さや構図など
いつもは考えるいろんな要素を、あえてざっくり無視。
単純に色味をそっくりにすることにのみ集中。
透明水彩絵の具の扱いについて学んだのである。

絵の具もしばらくぶりなので、ウオームアップとして
特別なトレーニングシートを用意したぞな。
パレットに出してある透明水彩の色数をチェックするところから。

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今回は、ぱっと見シンプルで超簡単だが、よく見るとにじみやグラデーションなど、いちいち芸が細かい浮世絵を題材にした。時間をたっぷり目にとったのだが…げげ!
けっこう苦戦しとったぞな。

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チョイスとしては、青や緑系の透明水彩っぽい色の図版。
「広いところをまず決めよ」とか「共通する色味を同時に着色せよ」とか…
いつもはいろいろ言うんだけど、今回は色味をしっかり合わせることに集中させるため、あまりくどくど言わないことにする。こんなに実践しやすい課題はなかったと思うのだが…ぬうー…

こういう浮世絵って元々は版画。刷りのテクニックは、現代の印刷屋さんですら「相当難易度が高くてなかなか再現できない」ほどのもの。
今回のラボは制作過程の工夫の仕方に言いたいことは数あれど、色を丁寧に見ようとした努力の現れとして、肯定的に見ることにする。
えふでラボたるもの、常々精進すべし。

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何度も言うが、漠然と描いてもうまくならんぞ。その意味で今回の作品は、今の自分の着彩技術のバロメータだと思ってよくよく客観視してみるべし。かならず今後の制作のヒントになるぞな。問題は常に具体的なのだ。