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ひさしぶりの着彩制作。とはいっても、デッサンに着彩ではなく…
はじめての「ぬりえ」的制作でした。
そもそも「ぬりえ」にしたのは…
着彩に特化した練習方法のようなもの。
例えて言うならワシは、要素をしぼって極端にした練習方法を好むのである。
今回は、かたちの正確さや構図など
いつもは考えるいろんな要素を、あえてざっくり無視。
単純に色味をそっくりにすることにのみ集中。
透明水彩絵の具の扱いについて学んだのである。
絵の具もしばらくぶりなので、ウオームアップとして
特別なトレーニングシートを用意したぞな。
パレットに出してある透明水彩の色数をチェックするところから。
今回は、ぱっと見シンプルで超簡単だが、よく見るとにじみやグラデーションなど、いちいち芸が細かい浮世絵を題材にした。時間をたっぷり目にとったのだが…げげ!
けっこう苦戦しとったぞな。
チョイスとしては、青や緑系の透明水彩っぽい色の図版。
「広いところをまず決めよ」とか「共通する色味を同時に着色せよ」とか…
いつもはいろいろ言うんだけど、今回は色味をしっかり合わせることに集中させるため、あまりくどくど言わないことにする。こんなに実践しやすい課題はなかったと思うのだが…ぬうー…
こういう浮世絵って元々は版画。刷りのテクニックは、現代の印刷屋さんですら「相当難易度が高くてなかなか再現できない」ほどのもの。
今回のラボは制作過程の工夫の仕方に言いたいことは数あれど、色を丁寧に見ようとした努力の現れとして、肯定的に見ることにする。
えふでラボたるもの、常々精進すべし。
何度も言うが、漠然と描いてもうまくならんぞ。その意味で今回の作品は、今の自分の着彩技術のバロメータだと思ってよくよく客観視してみるべし。かならず今後の制作のヒントになるぞな。問題は常に具体的なのだ。