2010.4.17.sat

ぴんぽんぱんぽーん
えふでジュニアにお知らせぞな。
来週のプログラム『世界を回る伝書箱』では、ちょっと特別な持ち物が必要になるから要注意。

などなど、日常のものを10〜20種類ほど集めてくるのだ。よいか、賢いえふでっ子たちがまずはじめにするべきことは…これ専用の袋とか封筒とかを用意すること!まずは準備を整えてから収集スタートぞな。

教室でプリントも配布しているが、この授業の内容についてはここでも少し説明を補足するぞ。インドの子どもたちがなぜこのようにコラージュ作品を作っているのか。アートディレクターで雑貨屋「gg」のオーナーでもある小山奈々子さんにお話をうかがいました。

わたしは東京でデザインの仕事をしています。えふでのみなさんとは「ただのいぬ。」プロジェクトでごいっしょしたこともありますね。今回のえふでの授業「世界を回る伝書箱」はPeace Photo Box というプロジェクトがもとになっています。わたしの友人にインドでダンサーをなさっている小野雅子さんというかたがいます。小野さんはとても優秀な踊り手で、日本人でありながらインド政府の公認ダンサーとして活躍しています。

小野さんはインドに十数年暮らしていて、踊りを通して自分ができることは無いのかと感じていました。そこで第二のステップとして、インドで生きていく上で、踊りなどを通して教育を受けていない子どもたちに対して何かできないか、と考え「ムドラーファウンデーション」を設立し活動なさっています。それは、かわいそうだからということではなく、踊りを教えたいというダンサーの本質的な欲求であり、さらにもっと広く、アートやデザインという美に触れさせたいと感じているのです。

小野さんの考えに共感し、わたしが何らかの協力をしたいと思ったとき、チャリティではなく雑貨屋さんとしての目線で何かできないかと考えるに至りました。というのはただかわいそうと援助をしても、本質的な解決には遠いと感じたからです。そこには価値観の違いによるおもしろさがあったのです!子どものつたなさが大人にとってはかわいく感じられるように、今日のインドでは身近過ぎてつまらないものが、日本では素敵なものに!そこが需要と供給として落としどころになるのではと感じました。

日本ではコラージュが流行っていますが、ある程度無難な感じに落ち着いて来ています。また、おしゃれなものはたくさんありますが、おもしろいものはそんなにないように思います。今回のように新聞/本/ノート/などたわいもないものや書き散らかしたメモが、雑貨になることで、新たな魅力を持ち、作った本人にとっては、自分の作ったものに他の国のひとが興味を持つことで、アーティストのように発信する側になれるという発見があるのです。

作ったインドの子どもたち(10〜13才くらい)は自己表現が楽しい、作るのが楽しいと話していました。インド以外でも、多分日本でも同じようなこともあるでしょうね。たとえばおじいちゃんおばあちゃんの作ったものがかわいいとか。そういう価値観のちがいを利用することで、ただかわいそうと助けるのではなく、自分を再発見したり、作る喜びを感じる中から現状を変える工夫や意欲が生まれて来ることのほうが素敵だと思うのです。

今回の結果には小野さんも手ごたえを感じています。えふでのみなさんもぜひ制作を通じていろんなことを考えてみて下さい。

うーむ
えふでの場合はこの制作で、どこまで自分を客観視できるか…とにかく自分のアイテムを忘れずに持ってくること!今回のばかりは借り物では作れないぞ!