5月 大塚いちお展・まほうのえふでと大塚いちおの布ワークショップ

布をつくりました
 NHKの人気番組「みいつけた!」でコッシーなどのキャラクターデザインをはじめとしたアートディレクションをされている大塚いちおさん。最近ますますご活躍中のイラストレーターですね。まほうの絵ふでの親子にも、夏のロードアートをはじめ様々なワークショップでおなじみです。
 さて、今年のえふでのテーマのひとつに「手仕事」があります。手描きの仕事を多く手掛けている大塚さんと、このたびオリジナルの布をつくることになりました。動物やちょっと抽象的な模様の大塚さんのイラストで構成されたかわいい布です。ぜひこれを使ってみなさんに手仕事をしてもらいたい。その意味では大塚さんの「作品」であるとともに、みなさんの「材料」としての役割をもつものと考えています。

手捺染という手法
 さて、手仕事といえばその布を作る過程そのものも興味深いのです。今回は昔ながらの「手捺染(てなっせん)」という手法でお願いしました。色ごとに型をつくり、色糊をへらで刷り込むことによって生地に一色づつ色を浸透させるこの製法、一枚の布ができるまでにはいろいろな業種の職人さんの手がかかっています。型を作るための型屋さん、色を調合する専門の職人さん、プリントする捺染屋さん、さらにその前後に布を洗いをかけたり、プレスしたり、ロール状に巻き取ったり…こんなにたくさんの行程があり、仕事も細分化されているとは経験してみないとわからないことだらけでした。やはり最近ではこの世界でもデジタルプリントが主流になりつつあり、インクジェット等の簡易的な機械も開発されているそうです。しかし長年の経験をもつ職人さんたちの技術はすごいもので、深みのある、機械では表現するのが難しいニュアンスまで制作することができるそうです。手間はかかりますが、良いものをしっかりと作る日本の職人さん。やはり手仕事っていいもんですね。

手仕事のおもしろさ
 今年のゴールデンウイークには、大塚いちおさんの個展「マジカルレインボーツアー」、そして大塚いちおさんの布を使った、ちくちく手縫いのワークショップも予定されています。昨年から進めていたこの企画、進める間に大きな震災もあり、延期・中止などの話もあったのですけれど…やはり直接の被災地ではない北海道民としては、元気に活動するのがいちばん!たいへんな地区がある分だけ、まわりのワシらはどんどんやれることをしないとね。日本の元気が無くなっちゃう。
 ということで今回のワークショップでは、工作好きな人向けのがま口作り、そして裁縫が好きな人向けのスカート作りを予定しています。どちらも多少手はかかりますが、小学生の家庭科の時間に習う程度の技術で完成できるそう。試作した先生たちによると、手縫いは思ってたほど大変じゃないそうです。ミシンでダーッと縫う方が良い印象ですが、手縫いの方がきれいに仕上がり、コツをつかめば縫い目もじょうぶ。途中で形を変えたり「失敗しちゃった!」って時に糸をほどくのもかんたん。手縫いでこんなにできるんだと再発見する機会になりそうです。
 昨年冬のママ部「あみあみ会」で編み物に熱くなってた様子をみると…もの作りに打ち込んでいる時間は大人も子どもも変わりませんね。「子どものため」「母の日のプレゼントに」はたまた「やっぱり自分用に」楽しみましょう。

札幌では初となる大塚いちお展
 ワークショップの会場となる大塚いちおさんの個展『マジカルレインボーツアー!』は、昨年発売された作品集『magic!』を記念して開催する、大塚さんの全国ツアーの第一弾とのこと。札幌がスタートとはこれまた光栄でございます。過去の作品とともに、未発表作品を含めて展示する大塚ワールド。ファンタジーとリアリティのあいだを行ったり来たりする大塚さんの世界観にふれるのが楽しみです。初日の4月30日の夜にはトークショーも予定されていますので、えふでのみなさんもぜひ足を運んでみてください。