2012年7月 えふでの授業にプロジェクターを導入しました

 たとえば同じ映画を見たことがあったり、同じ曲が好きだったり…共通の話題や経験があると初対面でもそれだけで仲良くなったりすることがありますよね。同じ本、同じ教科書、同じテレビ番組…共通の情報による影響ってすごく大きいものです。それがいいことなのかそうでないのかはさておいて、教育の世界では、同じ概念を共有することが共通の理解につながります。百聞は一見に…なんていうことわざがあるように、見れば一発でイメージの共有ができるのに、わかっているようで全く違うことを考えていたりすることもよくあるのです。

 さて、まほうの絵ふでは「えふで2.0(古い?)」なんていいながら、映像による美術教育の深化を狙って動き始めました。高精度のプロジェクターを導入し画像や映像をどんどん授業に活用していきます。これまでの外の写生では天気に左右され生徒みんなに同じ状況を作ることができませんでしたが、6月のラボのプログラム「す絵画」では流れる雲の動画を教室で上映しながら絵を描きました。あいまいで不定形に変化する雲の質感をどう絵にしていくかという制作のねらいがより明確になり、授業中に参考資料としてたくさんの絵画を高画質で紹介することができるようになりました。

 今のプロジェクターって日中でもけっこうしっかり見ることができますから、説明に映像を使うことで理解がすぐできる(ような気がする?)。パソコンの処理能力が上がり、メモリ量の単位もどんどん変わって相対的に映像はもっと身近になります。これまでやりたくてもなかなかできなかった映像・画像による説明を活用していきます!それに加えてデジタル写生会とか映像編集の授業、ムービー作成、実験的な映像作品の映画の分析…そんな新たな試みにもチャレンジしていきます。こりゃえふで3.0!?

 可能性は広がるぞな。…とか、書いているといいことばかりのように聞こえますが、ちょっと待ってくださいね。計算機の使い方を覚えたって、計算力があがるわけではありません。(あんましワシが偉そうには言えないんですが)思うに理解のしやすさは諸刃の刃です。映像見て「知ってる知ってる!、テレビで見たことあるよ!」っていうのは軽薄です。えふではそんなことをこどもに望んでいるわけではありません。そこに身体性がなければ、それは単なるうわべの知識です。

 一見無駄に思える知識が何層にも積み重なって、あるときそれが急につながってストンと腑に落ちる。分かったと心から思えて、関係ないと思っていたことにも共通点が見えてくる…そんな経験が大事だと思うのです。やり方を映像で見てできるようになるなら、そりゃみんな人間国宝ですからね。理解はもっと複層的なものです。推測し、仮説を立て、疑問点を整理する…それが真の学習でしょう。ですからえふでは「できるようになること」にこだわります。その為の思考実験を助けてくれるように映像を使いたいと思っているのです。

 蛇足ですが、理解力は国語力に比例すると思います。資料が充実して、言われたことが分かりやすくなったと感じたその時がチャンス!あえてお父さんお母さんにお願いをしておきます。こどもの読書量を増やしましょう。まずは日本語力!余裕があるなら…古典!漢文!意識して、無理強いしてでも!えふでっ子はまず自らの足元を掘るのだよ。