2009年9月 夏の特別アートプログラム 三匹のこぶたキャンプ 8月3日(月)ー4日(火) REPORT

 ご存知の方には有名ですが、物語『三匹のこぶた』ってけっこうハードなお話なんですよね。今回、えふでの子どもたちも悪戦苦闘の末なんとかじょうぶなテントをつくり、全員無事文明社会に戻って参りました。
 今回のコンセプトは「言うとやるでは大違い」です。ルールはコラムの中にありますが、与えられた材料/素材/道具だけを用いて制作するという、いわゆる機能主義的な考え方。自由に考え、好きなように作るということではなく、限定されたものの中から目的に沿った最大の効果を生み出すことがねらいです。また模型によるプランニングであったり、トラブルを想定した計画など、今回のキャンプでは初日のこぶたミーティングから、建築的なアプローチで、チームごとの協力であったり工夫であったり、最終目標に進むための各個人の献身(おおげさ?)が問われていました。ですからこぶたミーティング時に作った模型もただの工作ではなく、部材はそれぞれ正確に10分の1の縮尺になった建築模型的なもの。10分の1の自分人形(?)も制作し、イマジネーションを駆使してどう建てるか、工程表まで作りました。実はこのミーティングの素材発表のとき、校長的に「勘がよければ気付くかもしれない」程度のヒントをちりばめておいたのですが、テントをつくることと食事をつくることを別々なものとして考えていた子どもたちには、その時点ではあまり重要なものとは映らなかったようです。例をあげると…竹→太さは2種類。(実はちょうど差し込める太さ!)のこぎりで切って金づちで割れば薪のかわりにも(そのままでははじけて爆竹に!)縄→ほぐせばたき付けのかわりになどなど。
 課題も明らかになりました。①現場での発想の展開にもう少し自由度があるとよい(設計の変更/立地条件の利用など)②全員制作経験も豊富で、用具を利用する能力は同年代の子どもに対しズバ抜けているが、逆に目的から発想して自ら用具をつくったり、本来とは別の用途に使うことがなかなかできなかった(火をつけたい→どう風をおこすか/テントの支柱の固定ができない→固定のための道具・用具を作るなど)さて、現場で校長はこんな話を思い出していました。「日本ではホームレスがコンビニから同じ段ボールをもらってきて、模様までそろえていた。しかしアフリカの小屋の柱の建て方にはどうしても秩序が見いだせなかった。もしかするとアフリカではITなどロジカルな産業が育つのが難しいかも」やや極端ではありますが作家の曾野綾子さんの意見です。今回はとりあえず寝られればよい…という部分もあったはずですが、子どもたちからはできるかぎり「美しく」つくろうと努力している部分が見受けられ、やはり美というのは整合性であり文化なのだなあとしみじみ見ていました。
 今回は場所、気温・天候、参加メンバーの年齢構成などすべてにおいて様々な偶然も重なりこれ以上ないというくらい特別なアートプログラムになりました。自画自賛ぽくなりますが、努力すべき方向が明快なとてもえふでらしいプログラムであったと思っています。しかしこの実現もやはりえふでを信頼して預けて下さった親御さんの協力があってのものでした。応援して下さった方、関わったみなさまありがとうございました。写真を含めた細かな情報はウェブ上にもレポートが載っています。こちらもどうぞ。