2010年7月 開催決定!三匹のこぶたキャンプ 2010 summer

 おうちのちょっとした修繕や、棚の取り付け・加工など、みなさん自分でされますか?やればできそうなものだけど、中には自分でやろうか業者のひとを呼ぼうか…と迷うことってありませんか?ちょっと面倒だとか、手伝うひとが必要かも…など、特に汚れ仕事やちょっと危ない仕事だと、やはりプロの業者にお願いすることになりますよね。水道の蛇口がぐらぐらするとか、何か特別な道具が必要に思える時も、やはり自分でするのを躊躇しそう。逆にいうと、ある程度きちんとした道具が揃っていて、普段からほどほどに使い慣れていれば、自分でできることも結構ありそうなものです。しかしそういった経験があったとしても、やはり自分でやりたくないと思うことも実際にはあるんです。危ないこと、汚れることの他にも、面倒だったり手間がかかるものは、やはり敬遠したくなります。だからと言ってやらなければ、いつまでもできないままだし…うーん。
 以前こんなことがありました。校長は小さな倉庫の屋根のペンキを塗ったんです。これが、まさに「いうとやるとでは大違い」。もちろん色塗りは得意な方ですよ(校長は油彩専攻だったし…ってみんなが考えるほど関係はないんだけど)いろいろ考えながら段取り良く進められるよう準備をして、危なくないようにロープをまわし、命綱なんかもしっかり取り付けて、ペンキのノリがよくなるようにワイヤーでできたごわごわのデッキブラシみたいなのも準備。塗りやすいようにローラー式のハケも持ったし…よしよし準備万端!いよいよハシゴを用意して上を見上げると…ん。んん?なんと、これが怖いんです。たいした高さじゃないんですよ、軒先は3メートルもないくらいだし、高いところでも5メートルほど。ところがどうして…これが本気で怖い!もともと高い場所がそれほど得意じゃないこともありますが…のぼる前から、ハシゴがたわむ!長いハシゴはなるべく斜めにならないようにするものですが、立てると後ろに倒れそうだし、斜めにするとやっぱりたわむ。ハシゴから屋根に移る時、手でつかむところがない。ようやく屋根に乗ってみたら、こんどは軒に立てない。そこは屋根の最頂部よりもずっと地面に近いはずなのに…やっぱり怖い。上を見たりするとさらに怖い。しかも汚れる。おっかなびっくりやってると、ペンキをつけすぎたりあちこちはねたりでドタバタ。もちろんこういうの、ぜんぜん平気っていう人もいると思うんですがね。だって、地べたにあの程度の斜面があったとしたら、ギリギリのところでつま先立ちするくらい余裕なんです。明鏡止水のごとく…心を落ち着かせて恐怖心を克服しようとするのですが…怖いものは怖い。
 さて、私たちはそういった恐怖を避けることができます。普通の人ができないこと、やりたくないことは、誰かがやってくれるように職業化されたりしているものです。ですからこの屋根のペンキ塗りの話でいうならば、ペンキ屋さんにお願いするのが手っ取り早い。屋根の下の少し離れた安全なところで見ながら「塗り残ししないでよー」なんてお願いしたりね。つまり危ないことはもちろん、汚れること、つらいことは、お金を支払って他の人に代わってもらうことができるのです。しかし汚れることは誰にとっても汚れることだし、危険なことは誰にとっても危険なこと。そこで思うのはやはり「プロの経験」というのはすごいということ。リスクを避けるための手順をきちんと踏み、万全の準備をした上で、恐怖心などの感情をひとまず横に置き作業をすることができるのです。ということは、やはり広い意味での経験・学習によって、ひとは変わることができるということなのでしょう。
 実はこういう恐怖感とかクラクラする感じというのは、脳の原始的な部分を鍛えてくれるのだそうです。いわゆるロジェ・カイヨワのいう遊びの要素ですね。「競争」「偶然」「摸倣」「めまい」…そういわれてみれば、子どもって何かとハラハラすることが好きですね。「めまい」は無いでしょうけど、今回のこぶたキャンプには、そういった原始的な要素が満載です。なおかつ場合によっては、ガマンが必要になるかも知れません。飢え、渇き、明け方の冷えを防ぐためには、自分達の力でテントを建て、水を運び、食事を作らなければいけないのです。ギブアップの印であるレッドカードを出すことによって屋根のある安全なロッジで寝ることもできます。しかし…こぶたキャンプでシビアなものつくりの体験をするのも、子どもの能力を覚醒させる手助けになるかも。かわいい子には旅をさせよとか、若いうちの苦労は買ってでもせよ、なーんていいますからね。今年のチャレンジャーはどこまでできるかな?