冬のロードアート Penguin Wonderland

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─ 砂について ─
雪国の冬道は、つるつる滑って危険です。特に車や人が多く行き交う横断歩道や建物の玄関前などで、ツルンと滑って転ぶ人をよく見かけます。誰かがケガをする前に、とりあえずこれを撒いておくと安全なんだけど…というのが冬期間、交差点の脇に設置されている砂箱の砂。誰でも自由に使うことができます。冬のロードアート”Penguin Wonderland”は、昨年の▶ふゆのほしに続き、この雪道の転倒防止用の砂を使って絵を描きました。

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ロードアートの開催と平行して、この砂をもっと身近な存在にしよう!ということで、この冬イラストレーター▶大塚いちおさんと一緒に小さめパッケージの「おえかきすな」も制作しました。量は少なめですが、持ち運びしやすく、気付いた時にパッと撒けるポケットサイズ。かわいくて親しみやすいデザインが、こどもたちにも人気です。

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砂に関して詳しく知りたい方は、▶ウィンターライフ推進協議会のHPをご覧ください。
 
 
─ Penguin Wonderland ─
1月12日(日)、冬のロードアート『ペンギン・ワンダーランド』を実施しました。
まるで白い画用紙に鉛筆で描いたような仕上がり!全て砂を使って描いた色です。

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雪が降ったり止んだりのロードアート当日正午。交通規制がはじまると同時に、除雪チームの方々が登場!なんとトラック4台分の雪が道路に運び入れられました。まるでさっぽろ雪まつり的な山盛りの量に、スタッフもびっくり。

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山になった雪を平らに広げ、表面を固めて平らにし、画面の端を整え…3車線にまたがる巨大な雪の画面でしたが、制作時間は実質30分ほど。いや〜これはすごかった!目の前で繰り広げられるダイナミックなプロの技。聞くところによると、札幌市の除雪技術は世界一とか。なるほどさすがです!

そして−13度という寒さの中、果敢にも集まったこどもたち。さっそく砂のお絵描きをスタートします。

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はじめに手にしているのは前回のロードアート『welcome santa』で作った砂入りペットボトルです。こどもたちはステンシルのように絵柄の部分を切り抜いた型を使い、大塚いちおさんのイラストレーション・ワンダーランドの世界を1点ずつ雪の上に仕上げていきます。

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できるだけ形がはっきり見えるように、それぞれの絵柄に使う描く砂は多めです。「まだまだ!」「もっともっと!」砂を持ったこどもたちがどんどん絵の中に入り、厚く盛り上がるくらい砂で色を塗っていきます。

さらに、今年の冬のロードアートはずばりワンダーランド、つまり不思議の国。ただ砂を使って絵を描くだけではありません。なんと「画面の中は全員、後ろ歩きで!」こどももおとなも、ワンダーランドの中では全員後ろ向きで歩かなければいけないという不思議なルールつきなのです。

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雪の上でこれをするなんて、なかなか難易度が高いでしょう。小さなこどもでも「だめだめ!後ろ歩きで!」スタッフがどんなに急ぎの時でも「あ、後ろ歩きで!」真冬の寒さの中ですが、ワンダーランドなのでしょうがないとばかりにみんなでルールを守ります。

なぜこんなに後ろ歩きにこだわったかというと、実は今回のロードアートムービーに関わるのです。例えば砂を撒く動作ひとつ見ても…

おおお〜、逆回しで見てみると、掃除機みたいに砂が吸い込まれていく!この効果を利用して今回のロードアートムービーを作ろうという試みです。後ろ歩きのワンダーランドはもちろん、地上からも空中からも全部通して撮影していました。ちなみに空中からの撮影は、前回のロードアートでもご協力いただいたHRS株式会社の高所作業車の上から。地上でもこの寒さですから、上のオペレーターの方たちは想像しただけでも…ぶるぶる。本当にありがとうございます!

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高所作業車の上から見える様子は、同時に地上に設置したモニタでも見ることができました。スタートから約20分、まずはじめに大きな木が完成しました。これは面白い!こどもたちやスタッフはもちろん、通行人の方々も足を止めるほど。

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続けて花やりんご、逆さになったうさぎや鳥…どんどんワンダーランドができていきます。ひとつひとつの絵が大きいため、子どもたちは何度も砂を運んで描いてを繰り返します。相変わらず雪が降ったりやんだりの天候の中、もちろん、常に後ろ歩きで!

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次々にペットボトルが空になりますから、画面の外ではお父さん・お母さんたちにもご協力いただきました。砂を詰め直して、走ってくる子どもたちに次々に手渡す。なんだかマラソンの給水場みたいな状況です。「がんばれ〜」

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描き続けること約1時間…全体ができていくと同時に、あれ?はじめに描いた絵が薄くなってるぞ!…わわわ、せっかく描いた絵の上に雪が積もっています。こ、これはまずい!とばかりに大人たちも、砂を足したり絵の上の雪をはらうなどのサポートに入ります。むむ、時間と天気との戦いです。

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最後は大塚いちおさん本人が絵の仕上げを。フリーハンドで道を描き、全部の型をはずしたら、やっとワンダーランドの絵が完成。すごい!どうにか全部のパーツを描ききることができました。

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最後はお楽しみのペンギンタイム。こどもたちはひさしのついた黒い布をかぶり、手を振ったりジャンプしたり、ペンギンに扮してワンダーランドの中を歩きます。うーん、こどもたちの体型といい、雪といい、ペンギンが似合う!

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終了後は、ペンギンたちがスコップやブラシを手に砂を全面に広げて砂の片付け。…と言いつつ、実はここもロードアートムービーでは重要な役割を果たすシーンです。どうなるのか楽しみですね!

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帰り道はそれぞれ「おえかきすな」を持ち帰り。寒い中よくがんばりました!

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─ えふでバザール ─
ロードアート会場横にあるすわろうテラスでは、まほうの絵ふでのお母さんたちによる「えふでバザール」を開催しました。売り上げの半分は、いつもロードアートをさせていただいている「まちの道路」の維持管理のために寄付させていただくという試みです。

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店内にはお母さんたちの手作りのお菓子や暖かい飲み物、雑貨がずらり。

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一時は行列ができるほどの大盛況!お店に来たお客さんも商品の完成度の高さににびっくりしていたようです。暖かい飲み物は、ロードアート活動中のみんなの冷えた体に効いたことでしょう!

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総勢16名のお母さんが参加し、寄付金学は26,325円になりました。ご協力ありがとうございました。

また、好評につきえふでバザール第2弾、そしてロードアートの上映会もそれぞれ開催が決定!近日まほうの絵ふでのウェブサイトにてお知らせいたします。
 

主催/札幌大通まちづくり株式会社、企画/まほうの絵ふで、後援/札幌市、協力/大塚いちお事務所、札幌オオドオリ大学、HRS株式会社、ウインターライフ推進協議会、絵/大塚いちお、映像/Studio V.A.、デザイン/河村杏奈(大塚いちお事務所)