シャツができるまで

2014年12月23日(火祝)、まほうの絵ふでの工作キット▶紙でつくるシャツと、シャツブランド▶motone(モートン)によるシャツづくりの授業を行いました。洋服の作り方を知ると見方や選び方が変わり、私たちが普段何気なく着ている服ももっとおもしろくなる可能性があります。「こんな柄のシャツがあったらいいな」と想像しながら、motoneの工場長ことニトロクンと一緒に、服作りの楽しさを体験する授業です。

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まずはまほうの絵ふでの『紙で作るシャツ』をご紹介。遡ること2002年、こどもたちに服の構造や作り方を紹介するために実施した工作の授業がはじまりです。2011年に授業内容をバージョンアップさせるとともに、小学生から大人まで幅広い人たちがシャツづくりの行程を楽しめるようにペーパークラフトのキットを作りました。

キットの中身を広げると、まるで小さなシャツの型紙。motoneのニトロクン曰く「実際のシャツづくりと、えふでの紙シャツの仕組みはすごく似ている」そうです。紙なので切ったパーツをホチキスやのりで綴じ合わせて、ミニサイズのシャツを作ることができます。

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まずはこの紙に自分の好きな柄を描きます。シャツの色や柄は服選びの上で大事な要素!それぞれのこだわりが出ていました。

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使う画材はサインペン。全面に柄を描くのはなかなか時間がかかります。

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そしてシャツの各パーツをカットしたら、いよいよ組み立てをスタートしていきます。motoneの縫製工場の映像を見ながら、シャツ作りについて詳しくお話を聞きました。

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①肩をつける
縫い合わせは「前見頃」と「後ろ身頃」を縫い合わせるところから。motoneのシャツはヨークがついていますから、計3枚の布を合わせ、ステッチで仕上げていました。

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紙シャツはミシンの代わりにホチキスでパチンパチン。ぴったり合わせてね。

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③袖をつける
袖付けは、身頃側が凹形、袖側は凸形だから、合わせるのがむずかしい!でもmotoneの工場ではこの難しい袖付けの部分も、ベテランの縫子さんがダダダ〜、ダダダ〜と正確かつものすごいスピードで縫い合わせていました。ビデオを見た教室のみんなから歓声が。さ、さすがです!難しさがわかるだけに、驚きも大きい。

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紙シャツは合い印から、前側、後ろ側それぞれに止め合わせます。ここがきれいにできると仕上がりもすごく良くなりますよ!パーツ同士を少しずつつまみ合わせて慎重に…

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④脇をつける
脇から袖の下の部分を縫う行程。直線のところは縫子さんのスピードがさらに早い!motoneの工場では1日100枚ものシャツを作るそうです。ひとつひとつの作業はスピード勝負。しかもどの行程もクオリティが高く、ていねいです。

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脇の下のよく動く部分などは、ミシンを何度も往復させながら強く縫い合わせていました。シャツ作り、見れば見るほどおもしろい。

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紙シャツも、脇を合わせてだんだんシャツらしい形に。

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⑤表に返す
大まかな形ができましたので、シャツを裏返して表面を外に出します。布なら何てことはないこの作業、パリパリの紙シャツの場合は…くしゃくしゃに丸めて、紙を柔らかくする!はじめはちょっとドキドキするけど、紙もシワシワになると布のように扱いやすくなります。

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破けやすいので、そーっと袖を引っぱり出してね。

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⑥襟をつける
普段はあまり見ないところですが、motoneのシャツの襟の付け根には「台襟」というパーツがついています。台襟と襟、ふたつのパーツを縫い合わせてあの形ができるそうです。紙シャツの襟は一体型の襟にしているので比較的簡単ですが…ここも山形と谷形の組み合わせなので、高い技術が必要な部分。特に細かい作業なので、ベテランの縫子さん、ピンセットを持ったままミシンをかけていますね。すご!

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紙シャツの襟はのりを使って合わせます。完成までもう一息!

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⑦カフス・ポケットをつける
手首のカフス、そしてポケット口の部分は、motoneシャツの特徴である「リブ」がついています。伸びるリブの縫い合わせには、ちょっと特殊なミシンを使うそうです。

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ポケット口の部分は本当に細かい!縫い目がきれいに見えるように、目打ちで布を押さえながら作業を進めていました。ポケット口の部分だけは、糸をリブと同じ色に変えて使うというこだわりよう。私たちがなかなか気付かないこだわりがたくさんあります。

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せっかくですので、今回の紙シャツにもmotoneシャツと同じリブをつけてみました!赤、黒、グレイ、ベージュの4色から好きなものを選んで、これもホチキスでパチパチと。雰囲気出てきましたね!

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⑧ボタン、タグをつくる
さて仕上げのボタンつけ。なんとここではボタン付け専用マシンが登場!ひとつ1〜2秒の早さでボタンが縫えてしまう。さすが本物のシャツ工場、裏側にはいろんな秘密があるんですね。

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さてさて紙シャツの仕上げは、好きな色でボタンを貼り付け、さいごにmotoneと同じタグを手書きで描いて完成させました。

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派手派手なシャツもかわいいでしょ!

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どんなふうに作られているのかがわかると、服を見る目も変わってきますね。ニトロクン、詳しいお話をありがとうございました。

ーmotoneについて 

motone

motone(モートン)は、福島の縫製工場・サンユーニが、2012年に立ち上げたファクトリーブランドです。力仕事をする時、洗い物をする時などはもちろん、気分を新たに何かに取り組みたい時に、私たちはシャツのそでを上に上げます。簡単にそでを上げ下げできる、着心地のいいシャツができました。国内の縫製工場できちんと仕立てた、新しい「ワークシャツ」です。
motoneのホームページ ▶http://motone.jp
motoneのウェブショップ ▶http://store.motone.jp