こぶたキャンプ・2009

8月3日(月)
9:00 まほうの絵ふで前からバス出発
前日に遅刻厳禁と念押しといたため、遅刻者ゼロ。でかい荷物背負ってやる気満々。しかし多少浮かれぽんちきな空気あり。

移動時間を使って、性格診断テスト。50の設問に答えるエゴグラムっつーテストなんだがな、これがよく当たるのだ。自分の性格を客観的に自覚できるから校長的には超おすすめ。今回、運命を共にするチームのメンバーがどんな性格なのか、よく把握しとけ!

10:50 キャンプ場到着。
天候はくもり。気温はほどほど。

しかし一足先に着いて現場を下見した先生から、バッドニュースが…「前日の雨のせいで、地面がゆるくなってます」
浮かれた空気が一気に凍りつく。
テント立つかどうかギリギリの状況なのに…これは痛いぞ!

11:30 昼食もさっさと済ませ、資材の配布。
用具・資材の管理は各チームのサブサブリーダーの仕事。

足りないものや紛失物なんぞあったら責任重大。後からもらうには各チームに2枚だけ渡してあるイエローカードと引き換えなのだ。貴重なカードをアホなミスで失うわけにはいかん。荷物のチェックも超念入り。

11:50 森へ移動
川遊びを楽しむ子どもや立派なテントを張った家族づれを横目に
緊張した面持ちで黙々とリヤカーを押すワシらは全く別世界。
奥へ奥へとひたすら進む。例えて言うなら疎開中の子どもたち。

12:00 場所決め
現場に到着後、まずはテントを張る場所の検討。

ちなみにえふでの場合、場所取りジャンケンなどいっさいナシ。前日のこぶたミーティングから、集合の早い順、メシ食うの早い順、提出物の早い順…など細々とチェックしてポイント貯めてたのだ!もちろん点数高いチーム順に優先的に好きな場所を取ることができる…こぶたキャンプ中の行動はいちいちポイント対象になっとるもんだから油断大敵。最年長のリーダーは「早くしろ!」「集合だ!」自分たちのチームが悪条件にならないよう、常に気が抜けん。

12:20 テントづくり開始
前日に作った模型と施工手順の計画表をもとに制作スタート。
まずはじめに支柱を組むチームもいれば

広い場所に出てシートを切り出すチームも。

こちらは地面に差すための竹を加工。

テントの制作はサブリーダーが中心。と言えどもこの規模の制作はひとりでは到底ムリ。柱をおさえてたり、シートの端を持ったり、走り回って資材や道具取りに行ったり…ちんまい子もちんまいなりにやるべき仕事が山ほどあるのだ。

肩車して仕事させるとは!リーダー、ご苦労。

14:30 一足早くテントらしき形になったのは、男子ばかりのEチーム。ここは前日のこぶたミーティングでも仕事が早かった。しかしその過程を見ると…

骨組みが弱いのにムリヤリ作業をすすめたため、崩壊の危険ありとの判断。そこでテープで固定しようとあれこれ試みたようだが…結果、「テープが足りなくなった!」やむを得ずイエローカード片手にリーダーが校長のとこにダッシュ、予備のガムテープと交換。初の『お助けカード』の登場に他チームもざわめく。

あれこれシュミレーションしたはずの計画だったが、この辺りから「やばい」「無理がある」と他のチームもプラン通りにいかない現実に悩み始める。一時小雨も降り始めるが、そんなの気にしてられん。

途中で話し合いを重ねつつ、大小様々な計画の変更。走っては作り、作っては考え、考えては走り…夕食も作らねばならんから、16:30にはテントを完成させたいところ。さらに日の入りは18:45。夕食後、暗くなってからの森での作業は不可能に近いから…後がない!

15:15 経過報告  
まだ完成形が見えないチーム多数…の割に
「大丈夫です」「どうにかなると思います」
ぬぉー、粘る粘る!
意地でもイエローカードを出したくないリーダーたち。

まぁ…まだやれるっつーなら手出しはせぬ。作業再開!

16:00 続々と各チームのテントが立ちはじめる

「せま!」「隙間だらけ!」「虫入るぞ?!」「寒くねーか」
先生たちのツッコミも何のその。
「平気!」「これから塞ぎます!」「二重にする!」
中には危なっかしいのもあるが、こっから仕上げぞな。
何だかんだ言いつつみんなどうにかできそうだ…と思いきや、
ん?ひとつだけ気になるのがこのチーム…

おーい。おまえらだいじょうぶか?

16:15 いよいよ観念した最後のチームのリーダーからイエローカードが。「校長、手伝ってください」計画を聞いてみるとプランは悪くない。前日の夜、建築家のお父さんに相談してきただけあってしっかりしとるのだ。しかしいざやってみたら支柱を地面に固定できない。さらに強度を高めるためロープを木の幹に巻き付けて張ろうとしたが「チームのメンバーが手伝ってくれない」ぬぅ…リーダーの必死さとは裏腹になぜこうもまとまらんかこのチームは!

ギリギリの時間まで全員に手伝わせ…

やっとこさできたのがこれ。出入り口も窓もないが…多少の雨風ならしのげる。まぁ一晩くらいならがまんできるであろう、側面のシートをまくり上げて出入りしろ。これで完成とする!

で、他のチームの仕上がりはと言うと…

じゃじゃーん
一応全員寝られるようだな。高さがなくて立てないが、これでも当初のプランよりは大きくなったんだと。たいそうご満悦。

こちらも現場に来て床面積を広げたチーム。

うーむ。寝床ができて、喜びを隠せないご様子。
飛び上がるのは無理なようだが、ゴロゴロするスペースはあるようだ。

そして早くに形ができてたこのテントは

ディティールまでしっかり作り込んで「中も快適!」と太鼓判。

そしてなんと言ってもちんまいのがここ!

全員が寝たらまさに「すし詰め」ってやつよ。いいのかこれで?!
途中で到着した坂上シェフもテントの中覗いて唖然。「ありゃー!」

まあここはチームワークも抜群に良かったようだし
どうにかして寝るのであろ…これにて全員完成とする!
しかし…問題はこっからだ。
果たしてこの環境で大きなトラブルなく朝を迎えることができるのか!?

17:00 夕食
次に降り掛かる問題が野外料理。
全チームに同じ食材を渡し、一言「自力で作れ。」
これが夕食と翌朝分の食材。

前日のミーティングでは食材について全く知らされていない。
各チームで献立の相談をしつつ「米…炊き方わかる…?」
途方に暮れつつも、とりあえずは火起こしぞな。

これがなかなか思うようにいかない!
腹は減る…火はつかない…腹減った…メシまだか…
しかし「イエローカードだけは渡したくない!」
ここでまた粘る粘る…

予定時刻を大幅に押しつつ、やっとこさ炊けたご飯は「固い!」
アルデンテじゃあるまいし…そのまま食うにはさすがに…
「雑炊の作り方教えて!」
先生にイエローカード出して泣きついたたのは1チームのみ。
他は意地と根性でそのまま食べるとな?!
男子チームなんぞ塩かけてでも食ってたっつーから…そりゃ見上げた根性だ!トウモロコシ焼いたりじゃがいもゆでたり…つーかそこまで無理せんでもイエローカード使えよ、おい。

19:30 恐怖の森の怪談
すっかり日も暮れたところで「虫の害、夜の寒さに加えて、えふでのみなさんに恐怖をもうひとつ…」
でたぁ〜!坂上シェフの『森の怪談!』

こえー!まじこえー!
さらに『天国か地獄かくじ引き大会!』
後でもめないよう、各チームで愛されるのが仕事であるはずの逆リーダー(最年少)がくじを引く。女子チームにはそれぞれ…
花火が出ました!「わーい!」

夜食用のおやつでございます!「やったー!」

穂別メロンでございます!「わー!食べていいの?!」

先生たちも未だに不思議なのだが、なぜ揃ってこの当たり方?

一方、さいごのさいごまでテントができなかった男子チームは…
「恐怖の森のおつかい…暗闇にあるスイカを取ってこい」
どこまでもツイてないぞこいつら…地獄ぞな。
「あっちの森(スイカがある方)って真っ暗じゃん!」いやだいやだと泣きつき、あげくの果てに「吐き気がする」と脱落者1名。

残りのメンバーとジャンケンで負けて引率をするはめになった坂上シェフ、ひとかたまりになって出発。テント作りではあきれるほどチームワークが悪かったはずだが、この時ばかりはリーダーにしがみつき、どうにかスイカゲット、任務クリア。ふう〜

さらにもう1チームの地獄は「テントの中で百マス計算…?」
えふでに通う学力の高いみなさんのため、足し算、引き算も二桁、かけ算も二桁…やってもやってもなかなか終わらん量を用意いたしました!
小3、小4の逆リーダー・サブサブリーダーは早々に脱落。眠い目をこすりながらも最後まで終わらせたのは中1のリーダーと小6のサブリーダー。今日一日ちびっこたちを動かし、テントづくりで疲れ果てているはずのこの2名、全てを終わらせたのは夜中12時を回ってたそうな。さすがの根性、ご苦労!

そんなこんなで消灯後のテント。夜の森は真っ暗でございます。
まるで難民キャンプ的ではございますが…

中ではこの通り。どのテントも中で子どもたちがぐっすり熟睡しておられます。ハードなテントづくりでいい具合に疲れてたのでしょう。

技術的に大きく作れなかったのが幸いしてか、小さなテントに子どもがぎっしりで熱気むんむん。寝袋から蒸気上がっとったのもいたくらい…そのまま朝方の冷えも何のその。全員無事に朝を迎えました。

何でしょうこの神々しい朝の光は。

今回のこぶたキャンプ、テント作りの技術はさておき、意地と根性、
そしてチームワークという精神面は随分鍛えられたに違いない。
「良質なストレスは子どもを育てる」
えふでの考えをストレートに実施した形になりましたが、関係者の皆様いかがでしたでしょうか。天候その他の様々な幸運にも恵まれ、何より出発前は随分心配されたであろう親御さんたち、よくぞ思い切って預けてくださいました。子どもたちはわれわれの予想・想像以上に本当にひたむきにがんばってくれました。えふでに対する親御さんの期待と信頼があっての活動でした。重ねて感謝をお伝えします。

8月2日(日)こぶたミーティングのレポートはこちら